繰り返す足首の捻挫、なぜ“癖”になるのか?〜早期回復と再発防止のために〜

足首の捻挫は、スポーツ中だけでなく日常生活でもよく起こるケガのひとつです。
一度治ったはずなのに「また捻ってしまった」「昔から何度も繰り返している」という方も多いのではないでしょうか。

実はそれ、“癖になっている”わけではなく、明確な身体の原因があります。
ここでは、捻挫が繰り返し起こる理由と、再発を防ぐための当院でのアプローチをご紹介します。


足首の捻挫とは?

足首の捻挫の多くは、足を内側にひねる(内反)ことで外側の靭帯が伸ばされ損傷する「外側靭帯損傷」です。
特に「前距腓靭帯(ぜんきょひじんたい)」という靭帯を痛めるケースが多く、受傷直後には外くるぶし周囲の腫れ・痛み・内出血が見られます。

軽症の場合は歩けることも多いため「大したことない」と放置されがちですが、実はこの初期対応の違いが、将来的な再発リスクを左右します。


どうして“癖になる”の?

足首の捻挫が繰り返される背景には、いくつかの要因があります。

① 靭帯が伸びたまま戻っていない

靭帯は関節を支える“ロープ”のような役割を持っています。
一度強く引き伸ばされると、完全に元の長さに戻らない場合があります。
その結果、足首がグラグラと不安定な状態になり、ちょっとした段差や着地でも再び捻ってしまうのです。

② 関節の感覚(固有受容器)が鈍くなる

靭帯には「足首がどの方向に傾いているか」を脳に伝えるセンサーの役割もあります。
捻挫でこの感覚が損なわれると、バランスを崩した際に反応が遅れるため、同じような場面で再受傷を起こしやすくなります。

③ 筋力・バランスの低下

特に足首の外側を支える「腓骨筋群(ひこつきんぐん)」が弱いと、外側に傾いた足を元に戻す力が足りず、繰り返し捻ってしまいます。
また、足のアーチ(内側縦アーチ)が崩れていると、足首の安定性も低下します。

④ 炎症や腫れの放置

軽い腫れや違和感を放置すると、靭帯や関節包の修復が遅れ、関節内の滑膜や軟骨にも負担がかかります。
結果として、慢性的な炎症や可動域の制限が残りやすくなります。

⑤ 初期の固定を怠ると再発リスクが高まる

足首の捻挫では、受傷初期の適切な固定が何より重要です。
靭帯が損傷した直後は、組織が修復しようとする「急性炎症期」。
この時期に動かしすぎたり、テーピングやサポーターを行わずに生活してしまうと、修復中の靭帯が中途半端に伸びたまま固まることがあります。

その結果、関節の安定性が失われ、再発や「慢性足関節不安定症」に移行しやすくなります。
固定といっても、ギプスのように完全に動かさないわけではなく、エコーで損傷度を評価し、必要最小限の固定を段階的に解除していくことが大切です。

また、特に小児や学生アスリートでは、成長期の靭帯が柔らかく修復が遅れやすいため注意が必要です。
「痛みが引いたから大丈夫」と思って早期に運動を再開してしまうと、靭帯が十分に治らないまま再受傷し、将来的な関節のぐらつきや変形につながることもあります。

さらに、市販のバンドや簡易サポーターだけでは不十分な場合もあります。
外見上は腫れが軽くても、靭帯が部分断裂しているケースも少なくありません。
当院ではエコーで靭帯の損傷状態をしっかり確認し、固定の必要性や期間を客観的に判断して治療を進めます。


放置するとどうなる?

「痛みが引いたからもう大丈夫」と思っても、実際には靭帯・筋肉・感覚神経が完全に回復していないことが多く、これが慢性足関節不安定症につながります。

この状態では、
・歩行中の軽い段差で再びひねる
・運動後に違和感や腫れが続く
・正座やしゃがみ込みで痛みが出る
といった症状が慢性的に出るようになります。

さらに悪化すると、軟骨のすり減りや変形性関節症へ進行することもあります。


当院での評価とアプローチ

当院では、再発を防ぐために「なぜ繰り返すのか?」を徹底的に分析し、その原因に合わせた治療を行っています。

① エコーでの詳細評価

超音波エコーを用いて、靭帯損傷の程度や関節内の炎症状態を確認します。
MRIを撮るほどではない軽度の捻挫でも、エコーならその場で可視化できるため、「どの程度の損傷か」「固定が必要か」など、適切な判断が可能です。

② ニューボックスⅡによる炎症コントロール

受傷直後の炎症期には、微弱電流を使用し、細胞レベルでの修復と腫れの早期軽減を促します。
これにより、痛みを抑えつつ、早期のリハビリ移行が可能になります。

③ ES-8000による深部治癒促進

靭帯や筋膜の修復には、中周波治療が効果的です。
ES-8000の高出力電流が深部まで届き、血流促進・炎症軽減・組織再生をサポートします。

④ 筋力再教育・バランス訓練

痛みが落ち着いた後は、再発防止のためのリハビリを開始します。
EMSによる腓骨筋群の再教育や、バランスボードを用いたトレーニングで、足首を支える筋力と感覚を同時に鍛えていきます。

⑤ 慢性化した痛みにはショックマスター

何度も捻挫を繰り返すと、外側の腱や筋膜が硬くなり、可動域が狭くなることがあります。
ショックマスター(体外衝撃波)は、瘢痕組織を軟化させ、血流と柔軟性を改善し、慢性的な痛みを根本から取り除きます。

⑥ テーピング・固定で再受傷を予防

初期には適切なテーピングやサポーターを用い、安定性を保ちながら自然治癒力を引き出します。
固定期間を適切に管理することで、靭帯の再生を妨げずに復帰を早めます。


「治す」だけでなく「再発を防ぐ」治療を

足首の捻挫は、痛みが引く=治癒ではありません。
再発防止のためには、
・靭帯の修復
・感覚の再教育
・筋力とバランスの強化
この3つをしっかり整えることが大切です。

当院では、エコー評価 × 物理療法 × 手技 × 運動指導を組み合わせ、一人ひとりに最適なプランを提案します。


さいたま新都心で足首の捻挫・再発でお悩みの方へ

繰り返す足首の捻挫には、必ず原因があります。
「また捻った」「ずっと違和感が残る」そんな方は、早期に状態をチェックし、再発を防ぐ治療を始めましょう。

当院ではスポーツ選手から主婦・学生まで、幅広い年代の方に対応しています。
お気軽にご相談ください。

詳しくは「スポーツ外傷・ケガのページ」へ
https://shintoshin-urban.com/sports/

ブログ監修者
院長 今泉友太
新都心アーバン鍼灸接骨院
院長 今泉友太(いまいずみ ゆうた) 

柔道整復師および鍼灸師の国家資格を所持し、整形外科で約10年の勤務経験を通じて、急性・慢性を問わず数多くの症例に対応してきた実績あり。

再発予防まで視野に入れた施術と明確な説明は、多くの患者様より高い信頼と評価を受けており継続的な通院にもつながっている。

また学生時代にラグビー部に所属していた経験から、ケガや故障に悩む学生やスポーツ愛好家の方々へのケガのケアやコンディショニングにも力を入れている。

はり師免許証
きゅう師免許証
柔道整復師免許証
キャンペーン画像

電話

Web予約

LINE

住所 〒330-0843
埼玉県さいたま市大宮区吉敷町2丁目85-1
アクセス JRさいたま新都心駅東口より徒歩8分
駐車場 近隣にコインパーキング有
診療時間
※最終受付は受付終了の30分前です。